翼のない鳥



「友達がほしいなら、コイツらじゃなくてもいいだろう?ほら、秋山理穂とか、土谷華乃とか、仲良い子はたくさんいるだろ?異性の友達もほしいなら、最近は大久保俊樹とかと仲良くしてるじゃないか。アイツらでいいだろ?」

「!」

優しく、あくまで優しく、律は言う。
子供を諭すように、甘く、優しく。

でも。



「な、んで・・・?」


なんで律、そんなに知ってるの?

私、家で学校のことよく話すけど、名前まではだしてないよ?

どうせ律は覚えないだろうからって。

なのになんで、律が理穂たちの名前を知ってるの?


なんで、覚えてるの?

律にとっては関わりのない人たちで、まっさきに忘れる人に分類されそうなのに。
言葉足らずの疑問は、どうやら正確に律に理解されたようだ。



「美鶴が、大切だから。」



形のよい唇が紡ぎだしたのは、私を思う言葉。

「美鶴が大切だから、鬱陶しいだろうけど、美鶴の交友関係はできるだけ把握しようと努めてる。大切な美鶴の、大事な人だから、忘れずにちゃんと覚えてる。」


少し、窮屈かもしれないね、ごめんね。

そう笑った律。

でも、律ならそれもいっか、って許せちゃう。


だって、律だもん。


交友関係把握されるとか、律以外の人にされたら嫌かもしれないけど、律ならいい。

だって、嬉しいから。

私のこと、気にかけてくれてるんだなあって思うの。

自分のクラスメートすら覚えようとしない律が、私の友達を覚えてくれていることが嬉しいから、しょうがないなあって許せちゃうの。





けど、けどね。






「でも、私は、生徒会のみんなと、仲良くしたいよ。」




それだけは、譲れないかな。