授業に出ろ?
サボりは認められないって、おいおい。

寝言は寝てから言ってほしい。

「この学園、伝達事項がちゃんと共有されてないのか?」

こいつ、生徒会なんだろ?
伝えられてないのか?

「は?・・・なんのことだ?」


・・・これは、ほんとうに知らされてないのか。
しょうがない。

持ち歩いといてよかった、と思いながら生徒手帳・・・というか、その中に挟んでいたものをとりだす。

「・・・ん。」

携帯できるように折りたたんではいるけど、少し厚手の、上質な紙。
この学園の校章がすかしに入っていて、一目で本物だと分かる。


「・・・え。」


それを確認した優等生は絶句。

まあ、見たのは初めてだろうなあ。

そこに書かれてあったのは・・・



「『授業免除証明書』?」


僕が授業をサボってもいい理由。

それが、『授業免除証明書』。

とある事情から、僕は理事長直々に授業免除を認めてもらっている。

「授業免除って、なんだそれ・・・そんなの、聞いたことない。」

呆気にとられたような顔でつぶやく優等生。
ほんとにあの理事長伝えてなかったのか。
伝達事項の共有は大事だぞ。

ったく、余計な手間が発生したせいで結局美鶴のとこに行けなくなったじゃないか。

最悪だ。


しょうがない、図書室に戻ろう。

そう思ってもう一度鍵を取り出した。




「おい、まだ話は終わっていないぞ。」