「で、お前が琴川律で間違いないんだな?」
確信のこめられた問い。
もはやそれは質問ですらないと思う。
だってここでノーと言っても絶対信じてもらえなさそうだ。
・・・まあ、物は試し。
ダメ元で言ってみよう。
「違うけど。」
「ウソをつくな。」
うん、やっぱり駄目だったか。
即否定。
というか、そんくらいなら疑問形にするなよ。
「で、何?」
軽く目を細めて尋ねると、鋭い目つきで睨まれた。
・・・僕、何かしたか?
転校してからの一週間を振り返ってみたけど、てんで思い当たることがない。
いやほんと、何?

