ピタリ、と動きを止めて振り返る。
どうして出てすぐに気付かなかったんだろう。
扉のすぐ横に、長い脚を遊ばせながら腕をくんでたたずむ男がいた。
今の言い方からすると、どうやら僕のことを探していたみたいだ。
どうして僕がここにいることが分かったんだろう。
・・・面倒くさいな。
「・・・何。」
さっさと用事を言え。
そして立ち去れ。
そんな僕の思いに気付いていないのか、気付いていてもそれに従う気がないのか。
奴は体を起こし、僕に向き合った。
なんか長くなりそうな雰囲気だ。
「俺は有栖川 柊羽 (ありすがわ しゅう)。2Bで、生徒会書記を務めている。」
内心溜息をついていると、奴は自己紹介を始めた。
正直どうでもいい。
「生徒会・・・」
生徒会が、僕に何の用だ?