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その日も、誠也の所に行こうと、ホームルームが終わり席を立った時だった。



「杏奈!お願い一緒に来て~」



いつもなら、放課後は付き合いの悪い私に、またね~と手を振って帰る羽月が、血相を変えて飛んできた。



「なに、どうしたの?」



本来なら、1分1秒でも早く、誠也の元に行きたい。

でも、親友の為なら、少しくらい話を聞こうじゃないか。



「中野くんに遊びに行こうって言われたんだけど、相澤くんも来るらしいの!どうしよう、私どうしたらいい?」



相澤くんとは、隣のクラスの相澤 真人(あいざわ まさと)の事だろう。


ちなみに、1年生の頃から羽月が片思いしている相手でもある。


私が、羽月と知り合ったのは、高校に入ってからだった。

授業でたまたまペアを組むことになり、そこから仲良くなったのが始まりだ。


羽月が、相澤真斗の事が好きだと気づくのにも、そう時間はかからなかった。