一足早く保健室の鍵を開けて、
カーテン全開で、みゆが来るまで
昔の思い出のメモリーの扉を開かせる。


『遊びに来ちゃった秋斗お兄ちゃん。』


さみしくなると、たまに俺の部屋に
やってきて甘えたりしてきて
頭ポンポンしてたな。


野良犬に吠えられて怖がる
みゆの手を握って


『安心しろ。俺が守ってやる。
ついてきてーーー』


好きになり始めたのは、高校生の春頃。



もう何度思い続けてきたのか
知らなかっただろ?


もっと声聞きたい
会いたい

好きで好きで、たまらない


でも。もし、彼氏がいたりしたら
俺はどうすればいい?


今のうちに告白しないと。


だが、ここのところ
就職活動とアルバイトの掛け持ち続きだったため
最近会えないまま過ぎゆく日々。


俺の恋心はあの時の。
あの頃のまま
時は止まり、歯車は再び動き始めた。



「・・・好き・・・ずっと前から
好きでした。ちゃんと責任持って
守る。俺とつきあって欲しい。」






「・・・嬉しい。そうなれたら
いいなと、ずっと思ってたの。」


「おい。泣くな。頼むから、
泣かないで?あぁ。もう。
しょうがない。ほらーーー」



「・・・ん。やっと、泣き止んだ。」