新 不倫



一日中寝たきりの状態でも、
平山さんの笑顔は変わりませんでした。


旦那さんのほうも、仕事が終わるとすぐにこちらへ直行して、

エコノミー症候群にならないようにクミコさんの足をマッサージしてあげたりと、


ご夫婦二人でこの状況にも負けずに戦っていたのに・・・私は・・神を呪いました。



・・・はいそうです・・・。


24週まであと少しだったのに・・
陣痛が始まってしまいました。


胎児の心音も落ちてきて、分娩はもう避けられない状態になったんです・・。


こうなってしまった状況で、
選択肢は2つ・・。


母体の安全を第一に考え、下から取り出す。

ただし・・そうした場合、低酸素状態に陥る赤ちゃんはまず助かりません。


もう1つは、赤ちゃんを助ける事を優先に“帝王切開”で取り出す。

ただし、23週の時期では子宮もまだ小さく、帝王切開は母体にかかる負担が大きい。



超早産で産まれる赤ちゃんのリスクと、
母体にメスを入れるリスク・・。

産科医はこの場合、前者・・
“母体の安全”を最優先に考えます。


陣痛で朦朧とする平山さんにも、
勿論そう伝えました・・。