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言葉通り、一日中じっと動かず天井を見上げている平山さんは、
一つの弱音も吐きませんでした。
ベッドから動けないストレスや点滴の副作用で、その心身はボロボロだったはずなのに、
“この子も頑張ってますから”と・・
「平山さん。不安な事やお辛い事があったら遠慮無く私達スタッフに仰ってくださいね。」
「ありがとうございます先生。
でも大丈夫。
私は絶対にこの子を産みますから・・!」
「“お母さんになりたい”。
うん・・平山さんのお気持ちの強さには私達も勇気を貰えていますよ。」
「・・・アハッ!・・先生・・。
ホントはちょっとだけ違うんです。」
「え・・?」
「もちろんその想いも強いけど・・
不妊治療も、妊娠してから今日までの日々も頑張ってこれた理由は、
それよりも~~~っと強い、
“わたしの願い”があるからなんです。」
「へ~~それは興味あるなぁ。
一体なんですか?」
「・・・フフッ・・内緒ですっ。」



