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「じゃあ出来ましたら、こちらの呼び出しボタンを押してくださいね~。」
・・・・なるほど・・・。
先生から最初の説明を受けた後、
看護師さんに案内されて・・とても病院とは思えない個室へと通される。
まずは“検査”という事で、
クミコはまた別の看護師さんに連れて行かれて、
基礎体温や血液中のホルモン値の測定、超音波検査、子宮卵管造影など、
何種類かの検査をこれから一ヶ月掛けて受ける。
一方俺は俺で・・精液を採取して、
精子濃度や運動率、奇形率などをチェックする精液検査を受ける。
・・ということで連れてこられた部屋。
いくつも置かれているアダルトDVDやポルノ雑誌。
採取する為の補助道具ってところかな・・。
思わず中学時代を思い出した。
あの頃も自分の部屋で一人で・・
よくやってたな。
“自分一人で”というのは何年ぶりなのかもう分からないけど、
“病院の一室で”という気恥ずかしさもあるけど、
これも治療の為。
しっかり検査してもらわないと。
「・・・・・・・・・・・・。」
パッケージを見て、内容がなるべく過激じゃ無さそうなDVDをレコーダーに入れた後、
右手で採取キットを持って、左手はもう一度除菌シートでしっかりと清潔にする。



