「ゴホッゴホッ!・・星野君。
喋り疲れたので交代してくれますか?」
「あ、はい・・。」
『・・・・・・・・・・・・。』
「クミコさん・・。
もし、治ったはずのうつ病のフリを続けていたとしたら、
どうしてそんな事をしたのか・・?
フリを続けるだけでなく、
どうして深夜徘徊を加えて更に平山さんのメンタルを攻撃しようとしたのか・・?
当然・・僕達はそれを考えます。」
『・・・・・・・・・。』
「必死に・・【嫌われようと】努力していたんですね・・。
平山さんが【自分を捨てる】選択肢を選ぶようにと・・。
子供を産めない自分は、
平山さんを父親にする事が出来ない。
僕は昨日、産科医の速水先生の所へ再び行って、当時の詳しい話を更に聞きました。
あなたの願い。自らの命を賭して帝王切開を選択した理由。
ご主人の子供に対する想い・・。
その想いを知っているからこそ・・
“うつ病治った!ハッピーエンド!これからは夫婦二人で仲良く暮らしていきましょう”
で終わらせるわけにはいかな・・。」
『・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。』
目の前に視える姿を見て・・
言葉が出なくなってしまった・・。
黙秘を続け、
ポーカーフェイスを続けていたクミコさんの表情が少しずつ崩れていく・・。
必死に堪えようとしながら頬を伝う滴。
もはや・・それが豊川さんが立てた仮説に対する、“正・不正解の答え”
と言ってもいいかもしれない・・。



