新 不倫



―――――― 


“大丈夫ですか?”


ただ一言そう聞けばいいだけなのに、
そんな勇気は無かった。


お電話を盗み聞いてしまったあの日から、
一週間・・一ヶ月・・三ヶ月。


仕事を覚えて、他部署の人達にも顔と名前を覚えてもらって、

少しずつ仕事内容もステップアップさせて頂いたのと反比例して・・


隣の席の平山さんの様子が・・
少しずつおかしくなっていった。



「・・・・・・・・・・・・。」


“衰弱”という言葉が浮かんでしまった。


誰からも頼りにされて、先頭を切って引っ張ってくれていたのに、

信じられないような凡ミスが目立つようになって・・


1時間で出来ていた事が2時間以上掛かって、能率はどんどん落ちていって、

それと同時に、業務時間中なのにコックリコックリと首も落ちるようになって・・


何より・・・お昼休みに休憩スペースへ来ることなく・・

自席で・・覇気無く“菓子パン”をかじる姿が・・見ていてすごく辛かった・・。