「チャーハン、エビチリ、麻婆春雨、青椒肉絲・・まぁ中華全般はわりと得意だよ。」
「ひょっとして中華鍋持ってるんですか・・?」
「当たり~。」
「凄い・・本格的ですね。」
「岸本さんは?」
「私は・・得意じゃないですけど・・
よくお家でパン焼いたり、
おやき作るのが好きです。」
「・・・・・今何て言った?」
「え・・・・。」
「パンと何て?」
「・・・おやき・・・。」
「それって今川焼きのこと?」
「はい・・・。」
「・・・アハハ!」
「・・・・?」
「いや、妻と一緒の呼び方するなぁって思って。」
緊張と人見知りから始まったお昼休みが、今では一番の楽しみになっていた。
お弁当を一緒に食べながら・・
料理の話から、テレビでやってたクイズ番組の話から、海外ドラマの話まで・・
“好きになってはいけない”
“この人は既婚者だから”
“先輩と後輩”
“仕事の同僚”
心の中でその境界線を保ったまま・・
それでも・・配属から日を増すごとに、
平山さんに惹かれていった・・。



