私に恋する可能性




「あっちぃぃ」


1時間目の体育に向かう中、もうすでに湿った空気で汗を掻きながらみっちゃんがため息をこぼした


「なんで夏ってこんなに暑いの?意味わかんないんだけど」


何にキレてらっしゃるのか


「まあまあ、もう直ぐ夏休みだよみっちゃん」


夏といえば…花火大会とか、海とかぁ


「そんなの暑いだけじゃん」


うお、夏というものは全ての気力を奪ってしまうこともあるのか

恐ろしあ


「あ、それに夏は恋の季節だよ!みっちゃん」

「な、なに」

「一緒に花火大会行ったりしないの?幼馴染み君とか」


からかうようにみっちゃんの顔を覗き込んだ


「う、ううるさいなっ!行くわけないでしょ!」


アニメのようなテンパリ動揺のサマに思わず笑みが溢れる


「乙女だねぇ」


微笑ましいわ


「そ、そんなことより、ひなたは?連絡先手に入れてから何も進展ないじゃない」


グハッ…

そ、それは言わないでくれよ


「デートの一つにでも誘ったら?」


ぐぬぬ…

デート…すか


「いつまでもそんな下手に出てたら高校生終わるよ?」


「…みっちゃんもね?」


お互いの顔を見てクスリと笑う

みっちゃんは少し口を尖らせた