ーー


「血止まった?」


保健室、保健の先生が呆れたように私を見た


「止まりましたー」


「まったく…ぼぉっとしててボール当たったなんて中々ないからね?ちゃんとしなさいよ」


「はーい」


「もう少し安静にしててね。完全に止まったら戻りなさい。私は職員室行ってくるから、鍵閉めなくていいわよ」


「はい」


白衣をひるがえして先生退場


「はぁ…」


やってしまった


鼻の頭がズキズキする


椅子に座って軽いため息を何度となくこぼすとシャッという音とともにベットのカーテンが開いた


あ、誰かいたんだ


なんとなく気まずいのでそっちを見ないようにした



「あ、やっぱり間部さんじゃん」





私のこと知って…


振り向いた私が捉えた人物は



「どぅえ!?た、多岐くん!?」


え、なっうそ!


「そんなに驚く?」


くあっとあくびをして目を擦りながら私を見た


「驚きますよ!こ、これは!ディスティニーですよ!」


まさか好きな人が現れるなんてっ


「ディす…え?」


「あ!そんなことより!具合悪いんですか!?」


こんなとこで寝てるなんて!大丈夫かな


「いや?サボりだよ」


さぼり!?


「俺悪い子だからさ」


なっ!


「サボタージュですか!?」


「さぼた、え?」


サボるとはサボタージュの略である!

と、まあそんなことはどうでもいいんだけど


「ダメじゃないですか!」


「そう?たまには息抜きも必要だよ?」


「本当にたまにですか?」


「んー?」


クスリと笑った


絶対たまにじゃないなこれ