「多岐くん!!」
「うお、声大きいね」
「置いてかないでください!」
走って多岐くんの背中を追いかける
「多岐くんの言っていたことはよくわかりませんが私は諦めませんよ!」
「はぁ?だから俺は君が思い描いてるような男じゃないってば」
それがよくわからないんです!
「私は多岐くんのこと一切思い描いたりなんかしてませんよ!」
「は?」
「さっき多岐くんのこと全然知らないって言いましたよね。思い描くも何も多岐くんのこと知らないのにどう描けって言うんですか」
私は自分の理想と多岐くんを重ねているわけじゃないの!
「私の中で多岐くんという存在ができていくのはこれからです
私はこれから多岐くんのことを知っていくつもりなんですから」
「…だからそれが、君の理想とする人間じゃないってば」
「私の理想なんて関係ありません。私は多岐くんだから好きになったんです。それに好きになった人=理想の人とは限らないですよ」
恋に障害はつきものだって言うでしょ
たとえ思い描く素敵な王子様がいたとしても
全く別の人を好きになってしまえば、その瞬間に王子はその人に切り替わる
どれだけ輝かしい理想があっても、それをガン無視できるほど
この人がいいって思う相手
それが運命ってやつじゃないのかな
恋は単純で案外都合の良いものだと私は思う
「それに、多岐くんのことを知りたいと思うのは私の意思です。
だから本当の多岐くんを知ったとしても後悔することなんて絶対ない」
あなたの本当の笑顔を私は知ってるから
「そのくらい、私の想いは本物なんです
簡単に切り捨てられちゃあ困ります!」


