私に恋する可能性




こんなことが…あっていいのか


改札を出て多岐くんを見る


私は多岐くんと2人きりになれてしまった!


昨日の顔面スマホアタックは戒めだったのかもしれない


どうしよう!めっちゃ嬉しい!


「…間部さん?」


「ふぁい」


「見過ぎ」


「へい…え?」


「前見てないとぶつかるよ」


思わず多岐くんの横顔をまじまじと見つめてしまった!

なんてことを!

というか勝手に隣を歩いてしまった!


…ん?いやいいのか


だって彼女だし!

だって彼女だし!!


は!そんなことより!

聞かねば!多岐くんのことを!


「多岐くんはいつもこんなに遅いんですか?」


「いつもってわけじゃないよ。まあ遅刻は常習犯だけどね」


そうなんだ!

じゃあ朝一緒に行くとかは無理そうだな!

諦めよう!(潔い)


「昨日はすごい早かったしね」


昨日…ああ


「そうでしたね」


「間部さんは朝早いの?」


!!


多岐くんが私に質問…だと!?


「そうですね!いつもあのくらいにいます!」


「いつも的場と言い合いしてんの?」


的場…

あ!あのクソ女って言うクソ男さんか!


ん?言い合いって…

この前の朝のやつ?


「知ってるんですか?」


あ、的場さんから聞いたのかな


「んー?いや…的場からは聞いてないよ?」


ん?


じゃあなんで知ってるんだろ


悩む私をチラリと見てふふっと笑いをこぼした多岐くん