私に恋する可能性




満員電車の圧と空想犬飼先生の顔圧に死ぬ思いでやっと学校の最寄駅に着く


…はぁ


流石にこの時間にここで降りる人は少ないよね


重い足取りで改札を出ようと定期を当てる


がこん!


「うぎゃっ!」


な、なんじゃ


引っかかったのは改札の出口


しっかり定期が反応していなかったらしい…


この定期、最近反応が悪い


「定期の末期なのか?」

「ブッ」


!?

思わず呟いた言葉に反応するように聞こえた笑い声


「定期の末期ってなんだよ」





相変わらず改札出口で引っかかったままの私の後方でそんな声を漏らしたのは

思いもよらぬ人物だった


「た、多岐くん?」

「こんな時間に登校?遅刻じゃん」


え、え、え?


唐突のことに理解が追いつかず
改札出口で固まる私


「な、なんでここに」


「俺も電車通学だし」


あ、そうなんだ


「こんな時間に?」


「君もでしょ?俺はちょくちょく遅刻してるよ」


え、え?


「珍しく同じ制服がいると思ったらまさかの彼女サンだったよ」


嘘でしょこんな偶然あっていいのか?


「仲良く遅刻だね?俺ら」


「ふ、ふぁい…」


「そろそろ改札出たら?」



あ…