私に恋する可能性





翌日


バタバタと家の階段を駆け下りる


「ひなた、遅かったな」


「遅いと思ったなら起こしてよ!」


キッチンで優雅にコーヒーを飲むのは社会人2年目の兄上


「朝ごはんは?」


「そんな時間ないっ!」


やばいやばい激しく寝坊した


二度寝し…いや嘘!一回も起きてない!


やばいよ!いつもならもう学校にいる時間だよ!


大慌てで制服を着て乱れた髪のまま靴を履く


「行ってらー」


「行ってきます!」


イラついたトーンで返し、駆け足で駅へ向かう



何時の電車に乗ることになるんだ泣


分かっているのはもうすでに予鈴の時間であるということ


そして1時間目がまさかの数学だと言うこと


あの犬飼先生の授業に遅刻とか間違いなく埋められる


改札で定期が反応せず引っかかりながらもなんとか電車に乗る



はぁ…やってしまった


というか、朝はやっぱりどの時間でも電車ぎゅーぎゅーだな


見慣れない顔の乗客に押しつぶされながらも
3駅耐える



はぁ…どうしよう


遅刻とか初めてだ


遅刻した人って、みんなが授業受けてるしんとした教室に入ってかなきゃダメじゃん?

私あれめっちゃ嫌い

やったことないけど


だってすごい注目浴びるし、なんで遅刻したのとか聞かれるし

ましてや犬飼先生だからスコップ渡されて埋まって来いとか言われるかもだし…


うう…なんで起きなかったのよ私ぃ!