私に恋する可能性




と、いうわけで!



「多岐くん!」


昨日同様、屋上でのご飯を中断して多岐くんがお弁当を食べている教室に乱入


「うお、なに」


「連絡先交換して!」


「えーやだー」


ええ!?


妄想1でも2でも3でもないだと!?


即答で断られるというのはちょっと想定外だった


…だがしかし!


結論粘るになったので粘ります


「なぜですかぁ!?」


「逆になんで君と交換しなきゃなんないの?」


多岐くんは作ったように笑いながら言った


周りの男子もクスクス笑っている


その中に今朝のクソ男を見つけたけど知らないフリをした


「彼女だからです!」


フンっと鼻を鳴らす


「彼女だからって交換しなきゃいけないルールないだろ?」


ルール?


「ルールとかじゃなくて、単純に!個人的に!多岐くんの連絡先が欲しいのです!」


「はあ。でも俺今まで付き合ってきた子とも交換したことないから」


今までだとぉ!?


「今までのことなんて知りませんね!
私は今までとは違いますから覚悟してくださいよ!
なんてったって私は多岐くんがすごい好きですから!」


多岐くんを指差して自信満々に決め台詞を言う


ぽかんとした多岐くんと多岐くんのお友達


おでこを抑えてはぁとため息をつくクソ男さん



あれだな。漫画で言う


てんてんてんチーンの雰囲気