私に恋する可能性





「やっぱり聞けなかったんだ」


昼休み、いつもの屋上にて

みっちゃんがはぁと軽いため息をついた


「なんか女の子と連絡先を交換しない人らしい」


「なにそれーあんなに遊び人なのに?」


まあそういうタイプの人間もいるのかもしれない


「でも私は諦めないからね」


今までそうだったとしてもこれからもそうだとは限らない!


「はいはいわかってるよ。で次はどうすんの?」


「もう一回連絡先の交換を頼んでくる!」


「はぁ?もう少し計画的にしなさいよ。だめだったんでしょ?」


「でも私は多岐くんから直接言われたわけじゃないもん。あそこにいた女の人たちに言われただけだし」


そうだそうだ


多岐くんからはなにも言われてないもんね


「はぁ…ひなたってポジティブってより、頑固よね」


「そうかな…きっと、多岐くんのことだからだよ」



あんなどうでもいいことにムキになるのも



多岐くんの特別になりたいから