「ひなたに恋してる」





いつしか言った私の欲とやら



『私に恋して欲しい』


どうやら、その贅沢すぎる私の願いは叶ったようです


「私はずっと多岐くんに恋してる!」


思わず目の前の多岐くんに抱きついた


「ひなた!?」



叶った


諦めなければ報われるんだって無理やり自分に言い聞かせて


ほぼ一年かかってしまったけど


多岐くんとの恋の勝負は



「私の勝ちだね!多岐くん!」


『君に落ちたら俺の負け、君が諦めたら君の負け』


「あーそういやそんなこと言ったな」


私の背中に手を回して、多岐くんがふっと笑った


「俺の負けか」



多岐くんは私を好き、そして私も多岐くんが好き


どうにも言えない甘酸っぱさが胸に宿る


両想いってやつだ



あーもー幸せすぎて腹筋割れそうだよ!



「多岐くん!大好き!」


「知ってるよ」


ニヒッと笑った私にそっと口付ける多岐くん

毎度のことながら全力の赤面


「慣れろよ、そんなんじゃやってけないかもよ?」


え、それってどういう意味…


「…そういう意味」


「多岐くん、待っ」


ひょええええ


悪戯に笑った多岐くんのペースに完全に飲まれていく


恋人同士のキス



…の後


「すっげぇ好き」


くたくたになった私ににっこりと微笑む多岐くん


あ、甘い


甘すぎるよ多岐くん