私に恋する可能性





『多岐くんが私を好きになる可能性はこの先いくらでもあります!』



少し前の自分と重なる


多岐くんは好きにならないと言い切っていたのに

私は諦めなかった

そして今、ここにいる


だとしたら…


私は

蓮斗くんを突き放すことなんてできるはずがない



可能性にかけて無理矢理にでもしがみついてきた私だからこそ


蓮斗くんが本気なら、かつての私と同じなら


その可能性を断ち切ることなんてできない



「ひなた?」





でも、私は多岐くんが好きだから


この気持ちを失いたくない



私はどうするのが正解なんだろう