「ひなた!」
切羽詰まった声で名前を呼ばれて思わず背筋がしゃんとする
それは放課後のこと
掃除を終えて、さあ多岐くんに会いに行こうと教室を出ようとした瞬間
「ひなた!!」
扉をガンッと乱暴に開け、肩で大きく息をするのは
「え、蓮斗くん?」
まさかの人物
ごめんちょっと君のこと忘れてた
多岐くんに占領されてたわ
私の脳味噌少ないからね、狭いんだよ考察陣地
「お前の脳味噌はどうでもいいんだけどさ」
ぬぁ
「多岐に告られたってマジ?」
え!?
「え、な、なんで知ってるの!?」
私みっちゃんにしか話してないのに!
「吉澤に聞いた」
よしざ…吉澤!?
「いつ!?」
「朝」
あさ!?
…ん?朝?
「SHR始まる前に教室来て、それだけ伝えて帰ってった」
じゃあ、あの時教室出て行ったのってそのためなの??
え、なんで!?
吉澤くんは何を考えてるの?
「吉澤もああ見えて、結構俺と思考回路近いから多岐みたいな人間は好きじゃないんだよ」
え、そうなの
「要するに、俺の味方ってこと」
えー何その友情
多岐くん敵多くない?


