金髪に、ピアス







やり直せるなら、やり直したい




「ねぇ多岐くん」





不意にひなたの声が耳を撫でた



…気、使わせたか


足を止めるひなたを見る


その目は普段のひなたと違って


何を考えているのかいまいち掴めない


吸い込むような瞳



「多岐くんが何を後悔してるのかなんて知らないけど…私が好きになったのは、今ここにいる多岐くんだよ」


…?


「好きだよ多岐くん」


しっかり俺を見つめて、一音一音はっきりと言った


「もし、あの時の多岐くんが今の多岐くんと何か一つでも違ったら会うことなんてできてなかったよ」


え?


…俺がやり直したいとか、思ってんのに?


「多岐くんがどんな見た目をしてようが、どんな過去を持っていようが、それが少しでも違ったら私たちは会えなかったの。
確率ってそのくらい低いの」


確率


「何億分の1の確率でしか会えないんだよ。難しいことはわかんないけど、私たちが会えたのは奇跡なんだから!ディスティニーだよ多岐くん」


ディスティニーってなんだよ


奇跡って…



俺は…運命だとかそういう言葉が嫌いで理解不能で


そのはずだったのに



…もし、俺がひなたと会えたのが運命ってやつなら