結構いるんだな
騒がしい体育館はいろんな学年で埋め尽くされている
「遥!」
あ
「急に出て行ったからどうしたのかと思った」
クラスのやつらと鉢合わせた
「ごめんごめん」
「なんだったのー?」
「あの子は?」
「なんでもないよ」
「えー本当に?」
なんでもないって言ってんだろうが
話通じないわけ?
「なんか怒ってたからさ」
「うん怖かったー」
…そんなに分かりやすかった?
あんまり表情に出ない方だと思ってたけど
…なんか最近自分がすごい変わっていく気がする
それも全部ひなたに出会ってから
『それでは次はー1年5組のパフォーマンスです』
あ、始まった
ずんずんとリズミカルな音楽が流れる
わらわらと出てきた連中の中から思ったよりも早くひなたの姿を見つけた
ブカっとしたクラスTシャツに
普段はシンプルに結んでる茶色い髪を団子にして
無防備にヘラっと笑う
決して上手くはないくせにやる気に満ち溢れたその踊り方に思わず笑いが溢れる
ブレないなあいつ
俺はお前と出会って気持ち悪いくらい自分が変わってしまったけど
あいつは最初から変わらない
ずっと前向きで
ずっとうるさくて
ずっと、俺のことが好き