近くの女子トイレで少し髪の毛を整える
まあもうぐちゃぐちゃなんだけどね
…よし
大丈夫
私可愛い!!
…はぁ、なんて
整えた前髪を少しくしゃっとして下駄箱に向かう
一緒に帰ることはないって
ずっとって
そう言われた時
強がってはいたけど、多岐くんはそういう人だって言い聞かせてただけで
傷つかないわけがない
私は強がりが得意だけで
本当は結構小心者かもしれない
それに気づいたのは多岐くんに出会って
私の知らない感情をたくさん知ったから
多岐くんに会いたい
好きって言いたい
話したい
どんどん欲張りになっていくのは
どんどん恋に落ちてるから
何度も言うようだけど
私が今こうしていられるのは数々の偶然が重なったから
多岐くんのゲーム相手にたまたま私が選ばれて
その事実をたまたま知ってしまって
多岐くんの気がむいたからこの関係を続けられていた
でもモノは考えようだ
これを偶然と呼ぶか
運命と呼ぶか
私はロマンチストだから
もちろん
運命って呼ぶ
ねぇ多岐くん
あなたが私に恋する可能性は
今、どのくらいですか


