「というわけで、多岐は明日間部と回るんだろ?」


…ん?


「え?」

と、私


「え?」

と、蓮斗くん


「え?」

と、多岐くん


なぜか3人揃ってクエスチョンマーク



「そうだろ?多岐」


「え、あ、うん」


うん!?

えぇ!?



「ちょ、話が全く見えないんだけど、ひなたは俺と回るんだよ!」

「いや、普通彼氏と彼女は一緒に回るもんだろ」


取り乱す蓮斗くんに冷静に答える的場くん


「多岐とひなたは普通の彼氏彼女じゃないでしょ!」

「だからそれは今までの話で、今はもう普通のカレカノだよ」


えっと…



ん?


ちょ、一旦考えよう


…私はもうゲーム相手じゃないってこと


それはつまり


多岐くんと私は今…普通に付き合ってる


彼氏と、彼女



あ…


それを改めて実感した瞬間



ブアアアッと顔が赤くなるのを感じた



「あ、え、わ、たし…」



思わず赤くなった頬に手を添えて後退りする


ガタンと机にぶつかり、3人の視線が私に向く


…っっ


顔は赤くなっていくばかり



私は…今、多岐くんのゲーム相手じゃない…


その事実を確認するたびに胸がギュンギュンする


「う…あ…多岐くん…」


思わずその名前を呼び、多岐くんをゆっくり見上げる

顔が熱い


どうしよう…嬉しい…っ


「っ…」

「ひな、た」

「…うわ」


なぜか3人の目が広がり、固まる