ものすごく嫌な空気


それを断ち切ったのはまさかの人物だった



「ゲーム相手じゃないだろ」





「ま、的場?」


的場くん?


「まあ正確には『もう』ゲーム相手じゃない、か?」


いや、か?って言われても…


ゲーム相手じゃないってどういうこと?


「今回の賭けはもう終わってるから」


…へ?


賭けって、私と多岐くんがどのくらい関係が持つかってやつでしょ?


「終わってるって…どういうこと?」


蓮斗くんが的場くんを睨む


「全然別れる気配がなかったから俺らがもう飽きて今回の賭けはなくなったの。だから今の多岐と間部はゲームで付き合ってるんじゃない」


…え、初耳なんですが


でもなぜか当事者である多岐くんまでもが理解不能といった顔をしている



「間部はゲーム相手じゃないよ」



…的場くん

なぜか目が合う

その口角が少しだけ上がった



え、じゃあ

多岐くんが今私と付き合ってくれてるのは

ゲームが、目的じゃない…?


…私は多岐くんが偶然選んだゲーム相手じゃ…もう、ないってこと?


ドクンと心臓がなる


じゃあ…多岐くんはどうして、私と別れないでいてくれるの?


多岐くんからはフラないから?


それとも…



思わず多岐くんを見上げる


多岐くんも私を見ていた





もう私は


ゲームちゃんじゃない?