はぁ
盛大なため息とともに自分の席に鞄を置く
「顔怖いねぇ」
…
「茂木…」
俺こいつ嫌い
なんていうか、すっげぇ嫌い
「なんかあったのー?」
この棒読み感と俺を見ているようで全く視界に入ってないような目
「ひなた?」
…っ
「茂木には関係ない」
嫌味かというほどいい笑顔で言ってやった
「嫌だなぁーひなたの事だったら関係大ありだよー」
同じようにいい笑顔で俺を見る
謎に2人、笑顔で睨み合う
「実行委員で仲良くやってるよー」
チッ
「あいつはお前のこと嫌いだと思うよ」
お前の目的は俺なんだろ
だったらあいつに近づくなよ
「…わかってるよ」
…?
さっきまでニコニコしていた顔に影を作り、目を細めた
「でも、ひなたは優しい子だから」
…は?
「きっと俺のことも」
不意に立ち上がり俺の耳に顔を近づけた
「許して受け入れてくれる」
!
「お前っ」
「人気者がそんな怖い顔したらダメだよー」
くくっと笑って手を振り去っていく後ろ姿を睨みつける
…なんだ
あいつの目的は俺じゃないのか?
なんでそんなに間部ひなたに構うんだよ
…
あークソ
腹が立つ


