私に恋する可能性





「ひなた!」


蓮斗くんと別れて教室に戻るとみっちゃんが駆け寄ってきた


「もう大丈夫?」


「ぐっすり寝たから大丈夫!」


「なんで寝不足だったの?」





まあ、多岐くんのことなんですけどね


「多岐?」


「…うーん」


みっちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む



「やっぱりクズだった?浮気とかしてた?」


いや、そういう悩みじゃないんだけど


「…まだ好き?」


「うん」


その質問の答えは変わらないってのは分かってるんだけど


頭を悩ます私を困ったように見るみっちゃん


「ごめんねみっちゃん、悩んでばっかで何も進展がなくて」


「はぁ?なに言ってんの?今更?」


今更っ?


「こんな泥沼恋愛激戦に飛び込んだのはひなたでしょ?それに、付き合うって言ったのは私だし最後まで一緒に悩むから」


み、み、みっちゃああん泣


「うわちょっと何その顔」

「みっちゃんが彼氏だったらよかったのにいいい泣」

「なに言ってんの」


呆れたように笑った



「ダメだよ間部」


へ?


ラブラブしていた私達の間に入り込んできたのは吉澤くん


「水菜は俺のー」


なっなっなっ


「なっなっ…何きもいこと言ってんの!」


みっちゃん…ツンデレが出てるよ


ひぇぇ…なんだこのイケメンは


みっちゃん…アンタええ彼氏持ったなぁ