私に恋する可能性




はぁ…


なんてこったパンナコッタクレオパトラ


文化祭は呑気に楽しめなさそう


数学教室に何度目かのため息をこぼして鞄を持つ


「ねー、俺のこと忘れてないよね?」





「れ、蓮斗くん」


かんっぜんにアウトオブ眼中だった…ごめんなさい


「ひなたは惚れたって言ってる男のことほっとけるくらい無防備なの?」


ちょっと…怖いねこの人なんかオーラが


「それでさー話の続きなんだけど、多岐とはデートとかした?あいつ女と連絡先交換しないらしいけど交換した?花火大会はどっちから誘ったの?」


え、ちょ、なに?

なんかすごいぐわぐわくる


「えっと…」

「多岐ってやっぱクズ?他の女と遊んだりしてる?」


えぇ…


「ひなたは多岐に気に入られてる?」


…あれ


なんだろう


この人…


「多岐と別れて俺と付き合おーよ。てか告白はやっぱひなたからしたの?」


質問攻めのプロかなってくらいの質問の量と速さになに一つ追いつけてない


それに…


「聞いてる?俺と付き合おうよ。多岐じゃなくてさ」






「あの、私に一目惚れしたって…違いますよね?」



……


「……は?」