私に恋する可能性




「ねーねーひなた」


隣からツンツンと肩を突かれる

あ、しまった忘れてた(←


「ごめん!茂木く…蓮斗くん」

「いいよー」


にっこり笑ってくれてるけどなんか怖いその笑顔


「ねー多岐の彼女ってまじ?」


え、あ、唐突の質問


「は、はい一応」


あ、一応って言ってしまった


「へー…だから花火大会一緒にいたんだ」

「あ、そうですね」

「あれ2人で来てたの?」

「はい」


??

なんだろ


「…じゃあ噂になってる子ってひなたのことだったんだ」


噂?

なんじゃそりゃ


「多岐って学校で有名人じゃんね。いい意味でも悪い意味でも」


まあ…確かに


「彼女とは2週間も持たないって有名な多岐が2ヶ月近く1人の子と付き合ってるって話題になってるよ」


ええ、そうなの

2週間も持たないの?あの人

長いって言っても夏休みとか挟んでるしな

それに…


「多岐くんは自分から女の子をフラないので
多岐くんがどーのというよりかは、私が粘り強いだけです」


多岐くんはたとえどんな女の子と付き合っていたとしても

その相手が判断しない限りイエスもノーも言わない

だから多岐くんの気持ちがこの関係を続けているわけじゃない

それを…忘れちゃいけない


「ふーん…多岐のこと結構好きなんだね」



「結構どころじゃないですよ!めっちゃ好きです!」


この想いだけは誰にも負けませんデェ!


「…ほぉ、やっぱ見た目?」

「いやいや!ちゃんと理由があります」

「ふーん、どんな理由?」


ふふ、それは


「秘密です」


多岐くんのときと同じように人差し指を立ててにっと笑った


「これは私の宝物なので」