私に恋する可能性




「あ!お前!」


わっ!


後ろから唐突にかけられた声に体をビクッとさせ、手を引っ込める

振り向くと私の斜め後ろの席でさっきまでだらんと寝ていた人が顔を上げていた


…げ

この人


「的場くん!」

「多岐の彼女!」


まじか…あなたもか


「彼女…?」

ボソリと茂木くんの声が聞こえる


「お前なんでいるんだよ」

はぁ?

「実行委員だからに決まってるでしょ!」


というか、あなた多岐くんのクラス違ったのか

いつも一緒だから同じかと思った


「はぁー?最悪なんだけど」

ぬ!?

「こっちのセリフです!」


もぉぉお!この人嫌い!


「ただでさえジャンケンで負けて実行委員になったのにお前までいるとか…はぁぁ」


ムキィィィ!!


「私だってやりたくてやってるわけじゃないですからっ!」


本当大丈夫かなこのメンツ

盛大なため息を漏らしながら再び机にだらんと伸びる的場くん


私も軽いため息をつく