私に恋する可能性




この人…花火大会の時に会った

えっと名前は


「茂木、くん?」


瞬間
ぱあぁぁぁっと音がなりそうなほど眼にハイライトが入った


「覚えててくれたんだ!」


うお

ガタンと音を鳴らして距離を詰められる


見かけによらずイキイキしてらっしゃるのね

もっとだらーんとした人かと思ったけど


「実行委員一緒なんだね!よろしく」


「よ、よろしく」


多岐くんのクラスの実行委員は茂木くんなんだ


「実行委員なんて最悪って思ってたけどラッキーだったかも」


…へ?


「ふふ、こっちの話」


女の私よりも綺麗なんじゃないかってほど美しい顔立ちの茂木くん

その綺麗な顔を崩して微笑まれ、不覚にも心臓が鳴る


「間部ひなただったよね名前」


「あ、はい」


「ね、ひなたって呼んでもいい?」


い、いきなりっすね

男の子に名前で呼ばれるなんて新鮮すぎて慣れないけど

まあ別に断る理由もないし…


「ど、どうぞ」

「やったね」


にこっと無邪気に笑う

か、か、かわいいっ!

この人!可愛い系男子だ!


「俺のことも蓮斗って呼んでくれていいよ」


ええ…それはちょっとハードルが高いっす

陸部も思わず引っかかるレベルのハードルです

流石に呼び捨てはきつうございますので


「じゃあ…蓮斗くんで」

「ん、じゃ改めてよろしくね」


私に向かって差し出される右手


夏祭りの時はできなかったけど

握手かな?


私も右手を出した


しかし