私に恋する可能性




「犬飼先生!」


放課後、数学教室に向かう犬飼先生の背中を発見


「あ?なんだお前か」


「なんだじゃないですよね!なんで指名なんかしたんですか!」


「いいだろ別に」


よかねぇやい!


「俺だって文化祭担当なんぞやりたかねぇよ
その上知らねぇ生徒と運営とか冗談じゃねぇ
お前くらい入れさせろ」


いれさせろって…


「先生私のこと大好きですね」

まったくぅ

「はいはい」

それなら仕方ないなぁ(チョロい)


犬飼先生が雑に教室の扉を開ける



6人の生徒がだるそうに着席している

何人か寝てるし…大丈夫かな

机に突っ伏して寝ている男の子の隣の席に座る


「1年の文化祭担当になった犬飼だ。文化祭まで1ヶ月もないから詰めていくぞ」


うえ、スパルタな予感


「ま、しばらくはこのメンツで働くことになるから自己紹介でもしてろ。俺は忘れ物とってくる。あ、あと代表決めるから考えとけ」


ざっつ

え、雑すぎでしょ


がらぴしゃんと先生が出て行ってしまいしんとした教室


俯いている控えめな子か突っ伏して寝ている子かしかいない…


ひぇ…大丈夫かしら


全部で6クラスあるから6人


自己紹介って言ってもなぁ


「ん…」





隣の席で寝ていた子がのそりと起きた


よし…この人から声をかけ…





「ふぁぁ…あれ、もう始まってた?」


クワっとあくびして私の方を見た男の子の動きが止まる


「あ」