服はここで、ウイッグはー……。


誰の目にも触れられない場所に保管するとなると、クローゼットの奥が最適だろう。


眼鏡は誰かに見られても困るものではないので、机の引き出しにしまい込んだ。



荷物を全て片付けると、ロウソクの灯を消す。


どのくらいの時間が経過したのか分からないが、そろそろ部屋へ戻らないと、抜け出した事が知られたら大変な事になるかもしれない。


そう思って急いだが、やはり部屋の周りには誰の姿もなく。


幸い抜け出した事が知られる事も騒がれる事もなかった。


以外と夜は警備が緩いのね。けど、これだったら……。


簡単に部屋から抜け出す事が出来る。


例えそれが夜だけであっても、自由に城の中を回れる事は、今の私にとってかなり嬉しい事だった。



…アイルさんが困らないように、クッキーの作り置きをしておかなきゃね。


ベッドの中で目を閉じると、自然と眠りへ落ちていった。