「昔から手先だけは器用なんだよ」 「うらやましい。あたし、裁縫なんてしたら必ず5回は血が出るもん」 「5回? 相当不器用なんだな、あんた」 あぐらをかいて、少し猫背のその人は、 うつむき加減のせいで少しだけ目にかかった前髪の隙間からあたしを見て笑った。 「し、失礼なっ///」 自分の耳がちょっとだけ熱いのは、 けなされて笑われたから……だけじゃないことに気づいて、あたしは急に緊張した。