「どれ、貸してみ?」
「はい……どうぞ」
もうこうなったら、素直に従うしかない。
あたしは浴衣を差し出して、床にペタンと座りこんだ。
貸してもらったTシャツは、大き目といっても太ももよりちょっと下くらいの長さ。
冷房が利いているせいか、フローリングがおしりにひんやりする。
あたしはTシャツのすそをぎゅっと引っ張って、チクチクと器用に動く男の人の指先を眺めていた。
「すごい」
「ん?」
「ホントに上手なんだ」
「まあね」
思わず感心。
長い指は細かい作業に向かなそうなのに、浴衣の生地を滑るように動いてる。

