「でもあれは、青い靴の王子様じゃなかったんだね」 「……オレが兄貴の靴を履いたまま入院しちまったからな。前の日に。 残ってたオレの靴を、兄貴が履いてたってことか」 「あの時の王子様は、青い靴を履いた、赤い方の男の子だったってことだよね」 「なんか……、知恵の輪みたいだな」 苦笑した郁己くんは、 「王子違いだったってことか……」 ぽつりとつぶやいて、窓の外に視線を向けた。