Side―YURI ----------☆ 「わー、観覧車のこの気分、久しぶり~」 「くれぐれもカギなんて外さないように」 「わかってます~」 ゆっくりゆっくり上昇していく観覧車の中、 あたしは、不安げな郁己くんをよそに、はしゃいで窓の外を見やった。 だって……、そうしていないと、緊張しちゃう。 一緒に乗る人によって、こんなに気分の変わる乗り物とは。 おそるべし、観覧車。