「……言ってくれればよかったのに。隣に住んでたこと」
「言えなかったんだよ」
「どうして?」
「聞くか? それ」
「え?」
「オレがこんなやつだから。再会一発目もあんな感じだったし。ケガまでさせたし。
……王子様とは全然違うし」
あの夜までは、そのうち教えてやろうと思っていた。
自分が、幼いころの隣人だったってことを。
だけど、この子が会いたがっているのは、オレじゃない。
ひたすらに思い続けてきたのは、兄貴だ。
今さらオレが、双子の弟だと名乗ってなんになる。
まして、王子はもう生きていないなんて、
14年も思い続けてきた子に言えるわけがねーだろ。

