なのに、聞かされたのは、王子の話だ。 指輪をあげた、兄貴の。 進行形で想っている……初恋相手の。 どうやらこの子の中で、王子はたった一人らしい。 オレと兄貴、ふたり同時に接する機会はなかったから、 この子にとっては、どっちと会っていても、一人として見ていたんだろう。 双子だなんて、思いもせずに。 ようするに、 助けられた思い出の全部が、最後に対面した兄貴になっていたってわけだ。