「郁巳くんは、いつから気付いてたの? あたしがあの時のオンナの子だって」 「突き指したろ? まさかとは思ったけど、名前を聞いてああやっぱりって」 新しい住人が引っ越してきたことをすっかり忘れて、いつもの調子で飛び込んだ隣の部屋に、 “あ、あたし、初めてなんです。せめて優しくしてくださいっ” ……何だ、コイツ? おもしれーオンナ。 けど……可愛いな。 いざこざに巻き込んでしまった相手が、まさかあの時の女の子とは、 もちろん、その時点では気づきもしなかった。