兄弟であり、ライバルでもあった兄貴。
双子の片割れを失うっていうのは、自分を失ったにも等しかった。
兄貴の形見みたいな物になったオルゴールを見るたびに、胸が痛んだ。
いつしかオレは、自分の存在価値が分からなくなって。
そして、自分だけが助かったことに負い目を感じるようになった。
行動のすべてに無理を課し、兄貴のぶんまでイイ子になろうとした。
勉強をし、手伝いをし、そうこうしてるうちに頭と手先だけは器用になって。
中身はといえば、
争いをさけ、平和主義を装った、調子のいいヤツになっていた。
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