“郁己くんは、王子様とは全然違う” 自分にとって都合の悪いところばかりに反応して、郁己くんの存在を完全否定したんだ。 あたしなんかより、郁己くんのほうがずっと……小さい頃から傷付いていたのに。 ホントに……最低だ、あたし。 “ちゃんと、今を生きろ” それでも郁己くんは、あたしのことを、守ろうとしてくれたのに。 郁己くんが、あたしの言葉をどんな気持ちで聞いていたのか、 どんな思いで、あたしに接していたのか、 それを考えると、アパートに着くまで、流れる涙を止めることができなかった。