「まさか……そんな……」 全然……気づかなかった。 だって。 郁己くんは、そんな素振りを微塵も見せなかったから。 どうして黙ってたの? どうして隠したの? “指輪だって、盗んだものかもしんねーし” だけど、あの言葉は、本当だったんだ。 “忘れろよ……王子なんて” なのに、思い出を否定するようなことを言ったのはどうして? 分かんない……。 分かんないよ、郁己くん。