押さえつけられているせいで、動かせない顔。 声のしたほうに目だけを動かすと、 涙でにじんだ視界に、人型のシルエットが浮かんでいる。 開け放たれた、ベランダの窓の前に。 「……の、野郎っ……!」 次の瞬間、 あたしの上の重みは、はじけ飛ぶようにしてフローリングの上に落下した。 震える腕と足には力が入らない。 それでも何とかカラダを起したあたしは、 もみ合う2人の姿を、震えながら見ることしかできなかった。