「あ、の……」 「うん?」 頭の中で、警報が鳴り響いた。 “ちゃんと確かめたのかって言ってんだよ” 同時に、郁己くんの声がこだまする。 「あた、あたし、疲れちゃって……」 どうしよう。 どうしよう……どうしよう。 「その……今夜はもう……」 “王子だって名乗り出れば、誰でもいいのかよ” ううん……名乗り出たわけじゃない。 あたしが勝手に、王子様に仕立て上げただけだ。