頭の中で叫んでも、まったく声が出てこない。 そんなあたしをよそに、しっかりとガラス戸を閉めて上がり込んできた男の人は、 「ちょっと静かにしててくれる?」 なんて言って、あたしの顔をおもむろにのぞき込んだ。 「ひぃっ……!」 のけぞったあたしの足は、中途半端に着たままだった浴衣のすそを踏みつけてしまって。 ――ドスンッ! おもいっきり尻もち。 「い、痛い……」 「ぶ。大丈夫か?」