「やばいなー。間に合わなかったら泊まってってもいい?」 出てきたのは……女の人。 「でも明日早いんだろ?」 「うん、そうなんだよね」 「じゃあ帰ったほうがいいだろ。チャリで飛ばせばなんとかなる」 「そーかなー。でも大丈夫? カラダ」 「しょーがねーだろ。送ってってやるよ」 スニーカーのつま先をとんとんと鳴らしながら出てきた郁己くんの手には、自転車の鍵が握られていた。 「あれ? あなたさっきの人?」 「あ……はい」 先にあたしに気づいて、話しかけてきたのは彼女のほう。